魏志倭人伝 東洋史上の古代日本 [☆☆☆]

魏志倭人伝 (講談社現代新書 284)

魏志倭人伝 (講談社現代新書 284)

執拗なまでに原文にあたって研究している古代日本研究書。
魏による朝鮮半島進出や、話題となった「邪馬台国九州説」に関する考証、日本の古代政権誕生に関する考察など、いずれも興味深い。
ただし、昭和 47年の本だけあって、なかなか読むのは大変かもしれない。

邪馬台国九州説に対する著者の立場

山尾氏は、邪馬台国九州説には無理があるという立場。
九州説はおもに、魏志倭人伝の原文を精細に読んだ上で、解釈を行っているものが主 (らしいの)。
山尾氏は、そうではなく、魏志全体、あるいは東夷伝全体の整合性を含めて検討し、妥当な判断をすべきだと主張されている。