三国志誕生 -真のヒーローは誰か- [☆☆☆☆☆]
- 作者: 尾鷲卓彦
- 出版社/メーカー: 影書房
- 発売日: 2006/03
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (3件) を見る
曹操を崇めるあまり、その他を貶めすぎているきらいすらあるので要注意。
個人的に良かったのは、曹丕が帝位に就くまでの、献帝や臣下たちとのやりとりの詳しさ。陳寿の記載した部分ではなく注からの引用とのことだが、非常に興味深い。(いや、正史何度か読んでるんですが、お手紙のやりとりとかになると面白くないので身が入らないのですよ。それで覚えてなかったんだと思う)
逆に、おいおいこれは、と思ったのは諸葛孔明の出師の表に関するくだり。「こんなのは名文ではない」とこき下ろしているが、その対象に「後出師の表」も含めている。これも確かに正史には出ているが、やはり注であり、内容に明らかな誤りも含まれているために後世のねつ造・創作説も濃いものである。これに触れたことは逆効果ではあるまいか。
なお、蔡文姫の胡笳の歌が、全篇引用されている。平易に書き下されていて、俺ですら大感動。
あとは気になったこと 2点。