観光資源、存続求める声相次ぐ 比良索道撤退で地元など

http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/2003nov/27/W20031127MWA2S100000076.html

滋賀県志賀町で比良ロープウェイや比良山スキー場を運営する比良索道(本社・志賀町北比良)が来年3月末で会社を清算し、事業から全面撤退することが決まった27日、琵琶湖と比良山の豊かな自然を観光資源と位置づけてきた地元からは、存続を求める声が相次いだ。
志賀町の山岡寿麿町長は「大企業がない中で観光は重要な産業だ。早急に対策を講じたい」と強調。京阪電鉄とともに、登山リフトとロープウエーに分かれている路線をロープウエー1本に付け替える構想を立てた経緯もあり、町産業建設部の分部麟教部長は「付け替えが最も望ましく、集客も見込める。京阪と交渉を続けたい」と話した。
国松善次知事も同日の記者会見で「企業として利益を追求するのに事情はあろうが、琵琶湖を展望しながらスキーができる魅力的な観光資源であり、残念だ」と話し、「手があれば(存続を)応援したい」と協力する姿勢を示した。
志賀町内の商工業者は観光への影響を懸念する。町観光協会の下尾和男会長は「京阪神からの観光客の重要な交通機関であり、休止は、近年の登山ブームにも水を差す。存続が困難な場合、登山道の整備を町に要望したい」という。
北比良の宿泊施設を拠点にガイドツアーを組んでいる旅行会社、旅の本棚(宝塚市)の岩田康志代表取締役は「ツアーにロープウエーの利用も組み込んでいるので、休止は切実」と不安を募らせる一方、「貴重な植物がある八雲ケ原湿原をはじめ、埋もれた観光資源は多い。今まで生かしきれておらず、今後は欧州の国立公園をモデルに、入山料をとるような議論も大事」と提言する。
京阪グループ内でも、スキーと宿泊のパック旅行や雪山の動植物観察ツアーを企画している近江舞子ホテル(西村利男支配人)は「観察ツアーで夏山登山客を冬山にも呼び込めるよう積極的に宣伝する予定だったので残念」と、来年以降の影響を懸念していた。
写真=休止の決まった比良索道の登山リフト(志賀町北比良)

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