岩隈くん特集

岩隈投手 9回 5安打1失点10奪三振(開幕から負け無しの9連勝・6連続完投)
「やっぱり、9連勝と6連続完投勝利は、素直にうれしいですよ。負ける気がしないというよりも、投げる時は全て勝つつもりで投げているから、その気持ちのほうが、強いですね。今日は4回ぐらいで『完投は無理だろうな。』と感じていたけど、終盤になって球がきっちりと指にかかったし、バランスが戻ってきました。とにかく記録や数字が先行しますが、1戦1戦頑張って投げて、チームの勝利に貢献するだけです。」
梨田監督
「岩隈は、中盤によくない傾向が出だしたけど、7回以降は修正してくれた。岩隈の時によく打つ北川のホームランが出てから球のスピードが増した感じがした。日本ハムの重量打線を良く抑えてくれたよ。完投というのが、素晴らしいし、ありがたいね。」

近鉄5―1日本ハム● 近鉄が岩隈の開幕9連勝で4連敗をまぬがれた。岩隈は変化球主体の配球が光り、昨年6月から続く日本ハム戦の連勝を8とした。打線も四回に鷹野の犠飛で先手を取り、五回は北川の適時打などで3点を加点した。日本ハムは3連勝を逃した。

近鉄が岩隈の好投などで日本ハムに快勝。連敗を3で止めた。打線は4回、北川、星野の連打で築いた一死二、三塁の好機に鷹野の右犠飛で先制。続く5回にも4安打を集めて3点を奪い、先発岩本をKOした。岩隈は再三走者を背負いながらも要所を締める投球で1失点完投。開幕から9連勝とした。日本ハムは3連勝を逃した。 

【戦評】岩隈が6試合連続の完投で開幕9連勝。立ち上がりから低めに変化球を集め、5安打1失点で投げきった。打線は四回に鷹野の右犠飛で先制、五回に4安打で3点を奪うと、八回は北川の3号で加点した。
日本ハムは岩隈に今季3連敗。

【近5−1日】負けない。もう止まらない。会心の出来ではなかった。でも、1失点の完投でチームの連敗を3でストップ。マウンド上の岩隈には、エースの自覚があふれている。
「ランナーを出しても少ない失点で、粘りのピッチングができた。うれしい」。これで6連続完投なら、開幕以来の連勝も9に伸ばした。
状況に応じて調整する力が連勝を支えている。まずは試合前。ブルペンで不調を自覚していたという。「ストレートのキレが悪くてコントロールも良くなかった」。それでも慌てず、試合中に調子のいい球種を見極め、スライダーとフォークを中心に組み立てた。
中盤には球がばらつき始めてピンチを迎えた。六回にはセギノールエチェバリア、木元に今季初の3連打を浴びて失点。だが「1点はいい」と頭を切り替え、最少失点でしのいだ。久保投手コーチは「去年なら精神的に切れていたかもしれない場面。今年はそれがない」と成長を認めた。
開幕10連勝となれば、小野投手コーチが持つ球団記録に並ぶ。梨田監督は「狭い東京ドームで、よく日本ハムの強力打線を抑えた。球団記録と言わず、球界の記録を全部塗り替えてほしい」と絶賛した。ハーラートップに防御率、勝率、奪三振の投手4冠もキープ。イケメンを崩して岩隈は「次も10連勝を狙って勝ちたい」と笑った。その先には村田兆治(元ロッテ)が樹立した開幕11戦11勝の大記録が待っている。
<大記録へ挑戦>最多連勝の球団記録は70 年佐々木、78年鈴木、91年小野の各10連勝となっており、次回の登板で4人目のタイ記録に挑戦する。また、6試合連続完投勝利は昨年上原(巨=7試合連続)以来だが、近鉄では69年清(7試合連続)78年鈴木(10試合連続)に次いで26年ぶり3人目となった。今月はあと1度登板がありそう。5月までに10勝に乗せると68年鈴木(近)以来36年ぶりとなるがどうか。
ヒルマン監督もお手上げ≫日本ハムはわずか5安打で、近鉄・岩隈に今季3連敗。これで2年越しの8連敗となって、ヒルマン監督は「投球術に磨きがかかっている。対策?打てるか打てないか、それだけ。深く考えたりミーティングもしない」とお手上げ状態だ。絶好調のセギノールが2安打と気を吐き、一昨年の小笠原と並んで、球団史上2位となる出場40試合での打率4割をキープ(・418)したのが唯一の収穫だった。
日本ハム岩本(五回途中4失点降板)辛抱が足りなかった。大事なところで踏ん張れない。

近鉄が岩隈の好投で連敗を3で止めた。近鉄は4回、鷹野の犠飛で先制すると、5回には4安打に犠打を絡め3点、8回にも北川の3号ソロで追加点を奪い、岩隈が完投で9勝目を挙げた。日本ハムの主催試合の連勝は8でストップ。(勝利打点=鷹野)
これほど長く感じた9回は、なかったはずだ。日本ハム・坪井から10個目の三振を奪い、最後を締めた岩隈は大きく息をついた。「最初からコントロールがよくなかったけど、粘りの投球ができました」快調だった連勝ロードから一転、苦しんだ末、開幕からの連勝を9戦9勝に伸ばした。
試合前のブルペンで不調を察知した。「今日はストレートが全然ダメでした」126球中、直球を49球に抑え、スライダー42球、フォーク23球と変化球を中心に巧みにかわした。23歳とは思えない老練さ、高い適応力を発揮した。
4点リードの6回、セギノールの左中間二塁打など3連続安打で1点を失った。なおも無死一、二塁のピンチをしのいだ粘りが勝利を呼び込んだ。5安打1失点に抑えた無敗右腕。リーグトップの防御率は1・89と2点台を切った。
4月18日のオリックス戦(大阪ドーム)から6試合連続の完投勝ちだ。「いろいろ疲れが蓄積していると思う」と久保投手コーチ。それでも、昨年から対日本ハム8連勝、また2001年5月29日の日本ハム戦でプロ初勝利を挙げて以来、東京ドーム6連勝という相性のよさが、岩隈を強烈に後押しした。
1991年に小野和義・現投手コーチが達成した、開幕10連勝の球団記録にリーチをかけた。「記録? 当然、意識はあります」東京・堀越高時代は「えんぴつ」と呼ばれたほど細身だった未完のエースが、55年に及ぶ球団史にその名前を刻む日は近い。(武田 泰淳)
◆3連敗で止めた
エース岩隈の援護をしようと、猛牛打線が久々に火を噴いた。4回に鷹野の右犠飛で先制すると、5回は4本のヒットに犠打、四球、犠飛をからめて、3点を追加。9試合ぶりの2ケタ10安打で5点を奪った。「クマ(岩隈)で勝てたのが大きい」と中村。打線の組み替えに腐心し、連敗を3で止めた梨田監督も「いい点の取り方ができた」と合格点をつけた。

近鉄5−1日本ハム>◇22日◇東京ドーム
いったいどこまで伸ばすのか。近鉄岩隈が、パ・リーグでは93年の小宮山(ロッテ)以来11年ぶりとなる6戦連続完投勝利で、開幕9戦9勝を飾った。強打の日本ハムを相手に要所を締めて5安打1失点。10三振で今季3度目の2ケタ奪三振も達成。 91年に小野和義(現1軍投手コーチ)がつくった球団記録の開幕10連勝(勝敗なしを3試合挟む)にあと1、村田兆治(元ロッテ)の開幕11戦11勝まであと2だ。
申し訳なさそうに開幕9戦9勝を達成した。9回2死、坪井を143キロ直球で空振りさせ、3者連続三振で締めたのに笑顔は控えめだった。岩隈は駆けつけたナインと遠慮がちにハイタッチ。喜ぶより先に、打線の援護に感謝した。
終わってみれば10三振、5安打1失点の完投勝利。トップの防御率も1点台に押し上げた(1・89)。だが、その実は綱渡りだった。「最初からコントロールが良くなかった。ストレートは全然良くなかった」。3回までのノーヒット投球は、スライダー、フォークで乗り切ったものだ。
受けた藤井も腹をくくっていた。「真っすぐは見せ球にして『投げながら合わせて(調整して)くれ』と話していたんです」。女房役が願った通りに立ち直れるのが、今年の岩隈のすごさ。7回以降は安定感を取り戻し、セギノールらから3イニングで6奪三振。東京ドームでは無傷の6連勝で、昨年から続く日本ハム戦の連勝も「8」に伸ばした。
17日に急死した鈴木2軍打撃コーチに恩返しができた。鈴木コーチが引退した00年、岩隈は猛牛の一員になった。選手としては1年間の付き合いだったが、右も左も分からない1年生に鈴木コーチは積極的に話しかけてくれた。在りし日を思い出し、通夜の後には人目もはばからず涙をこぼした。「勝てて?  よかったです」。短い言葉にお礼の気持ちを込めた。
小野現1軍投手コーチが91年につくった球団記録、開幕10連勝にあと1 と迫った。小野コーチは「そういう選手を育てるのがボクらの仕事」と、その日を待っている。その先には村田の開幕11戦11勝の日本記録も待っている。負けないエースは「記録?  当然意識しています」と必勝を誓っていた。【浜田司】

もう、今年はとりあえずシーズン優勝はあきらめて 3位狙いで、とにかく岩隈に勝たせるか。全力でチームをあげて。
岩隈登板日以外は若手使いまくって経験積ませて。それくらいの割り切りもありやと思うなぁ。